<この指とまれ> 第2回 「語り合う読書会」を開催しました

第二回「語り合う読書会」を、10月10日2時よりせせらぎ会館に於いて13名の参加者によって開催しました。取り上げた作品は小川洋子の『科学の扉をノックする』。「語り合う読書会」はその名の通り、参加者の皆さんのご発言により成り立つものです。その白熱したディスカッションの一端をご紹介します(順不同、敬称略)。

例えば、第一章<宇宙>。

「何億光年の距離?あぁ~頭がついていかない」(しがない頭の司会者はマズイとすぐに訂正を入れる)。「特殊相対性理論では、動いているものの時間は止まっているものよりも時間は遅く進むとはどういう事でしょうか?」。司会者が磯部さんにご説明を頼む。磯部さんのご説明、省略。失礼します。

H氏「宇宙の壮大さ、巨大さは、人智の及ばないものだ」。

N氏「私は畏怖を感じる」

K氏「畏怖という意味では、宗教の神と同じかもしれない。仏教では輪廻転生という考え

方がある」

M氏「宇宙は拡張し続けるというけれど、収縮するかもしれない。未来はどうなってしま

うのかという不安がある」。

T氏「ビッグバンというけれど、その前はどうなっていたのだろう?」。

K氏「有限、無限というが、そもそも考える意味はあるのか?」

S氏「私は、最高レベルの科学者が、異口同音に<真実は分からない>と言っている。ここ

に大変感動した」

….. 宇宙、遺伝子、遺体科学、肉体と感覚とテーマは続き、最後に磯部さんにより電子から放射光を発生させる「スプリング8」についての解説で締めていただきました。一同拍手。                                             これは「語り合う読書会」のほんのワンシーンですが、皆さんから自由な意見や感想が飛び交い、まるで大学時代を彷彿とさせる(?)ようでした。
末尾になりましたが、科学についての解説を全面的にお願いして量子力学の分野についても準備していただいた磯部さん。前日の大隈講堂での小川洋子と山極京大元総長の対談を教えてくださった森直之さん。「スプリング8」関連で和歌山カレー事件の科捜研の記事を送って下さった小久保さん、ご参加いただいたみなさんに感謝申し上げます。

                                     中森

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