2024年11月21日、日本酒愛好会では神奈川県海老名にある「泉橋酒造」を訪問した。
この蔵元は八年前の平成二十八年にも訪れているが、特徴は全国でも珍しい「栽培醸造蔵」で、酒米作りから精米・醸造迄一貫した生産を行っている蔵である。使用する酒米の約九割が自家所有の水田並びに契約栽培農家からの調達である。
近年吟醸酒がもてはやされ、精米の磨き度合いが喧伝されるが、この蔵では米粒の中にあり酒の味に影響する米粒中の「タンパク質」の含有量を少なくするために水田の土壌改良から取り組んでおり、さらに自家精米による工夫を加え、単に磨きと低温醸造だけの蔵とは一線を画す取り組みをしている蔵である。訪問した十一月下旬は既に稲の刈り取りは終わっていたが、精米・麹蔵・醸造タンク・搾り機と丁寧な案内を受けた。
また先回の訪問時には無かったが、現在「サケとアテ」という直営店を海老名駅の近くに開いており、今回訪問の大きな楽しみであった。
お酒は、純米大吟醸から始まり、各種の泉橋を味わった後にスパークリング酒が出て、そして最後に「ちろり」で燗をつけお銚子に移した燗酒と日本酒のフルコースであった。
肴の方は、店名に「サケとアテ」とあるように、お酒の特徴に合わせとりどりの肴が出され、お酒との組み合わせを楽しんだ。
今回の参加は日本酒愛好会メンバーの他にトレッキング部会の有志を含め19名、穏やかな冬日の午後、まさに「サケとアテ」を満喫した一日であった。(磯部記)