浪曲とチンドン芸の鑑賞会

_もともと歌舞音曲好きな私が最近は浪曲に惹かれるのですが、浪曲で“この指とまれ”と掲げても「すぐには誰もとまるまい」と自重して、活動に先行する鑑賞会を企画しました。2月24日(土)、大田稲門会員16名、そのご家族3名、そして港稲門会から4名のご参加をいただき、計23名が日本橋に集い、5名全員が早大出身の出演者による浪曲とチンドン芸を楽しみました。
_遠い日本橋まで出向くの? 馴染み乏しい浪曲とチンドン芸なの? への説明から始めます。私は亡き伯母から受け継いだビルの伯母居住階を改造して“表現者向きスペースの時間貸し商売”を始めました。住所の日本橋兜町から“アートスペース兜座”と名付け、プロアマ問わず多様なアーティストに使っていただく中で、明治以降の伝統芸能の中でも音曲ゆたかな浪曲芸能とチンドン芸能に触れる機会があり“魅せられた”のです。
 
_公演の始まりは浪曲 “日本橋情話” 相思の若い男女が至誠を貫いたあげくに迎えるドンデン返しハッピーエンドの嬉し泣き。啖呵(セリフ部分)と節(歌の部分)を 唸る浪曲師・東家千春さんのよく通る声と演技を、曲師・伊丹秀勇さんが三味線伴奏と掛け声で支える二人オペラが繰り広げられました。続いては“チンドンうぐいす宣伝社”3名編成によるショウタイム。チンドン定番曲であれ聞き慣れた早稲田大学校歌紺碧の空であれ、チンドン太鼓とゴロス太鼓とクラリネット/サキソフォンの三重奏で聴くと独特の味わいがあり、聴き手に心地よい懐かしさを呼び起こしてくれます。リーダー大野萌生さんによる南京玉すだれの妙技も拍手喝采でした。中入り休憩後は史実も取り入れた本邦初演の新作浪曲“青年 大隈重信の冒険”で、佐賀藩士時代の重信侯の活躍に聴き入りました。
_今秋にも“この指とまれ”として、浪曲定席“木馬亭”での公演鑑賞を目玉とする浅草探訪を企画したいです。
_両芸能の魅力を皆さんと分かち合うことが第1の企画動機ですが、第2の動機は後輩応援です。世の常として部活・サークルの先輩が後輩を応援しますが、母校に浪曲部は無くチンドンサークルも絶えて久しいので先輩が不在です。卒業後に取り組み続けても陽が当たりにくいマイナー伝統芸能の担い手を、芸人さんにお世話になる商いを営む私が応援しないで誰が応援してくれるものか、と気づいたのは最近です。
_後輩応援も兼ねて、2/24に準じる内容の鑑賞会を会場地元の中央稲門会など他23区稲門会を対象として、5/12の実施を予定しています。
_仕事を通じて噺家さんとの面識も増えまして、後輩の名を挙げれば“瀧川 鯉丸(第二文学部)” “三遊亭 花金(文化構想学部)” “桂 健枝郎(文学部)”の3名がアートスペース兜座ご利用客として落語を演じてくれました。3人とも今は二つ目で出演料がお値頃な彼らにご関心あれば紹介申し上げます。ただ健枝郎さんは上方落語家なので関西地区の稲門会に繋げられれば良いなとも思います。(寺田正紀 ’75政経)

カテゴリー: 5.この指とまれ パーマリンク