歌と物語が生み出す幸福な時間 ――劇団四季『マンマ・ミーア!』を鑑賞して

 神戸 隆一

2026年7月16日(木)、大田稲門会「演劇を知る会」の行事として、KAAT神奈川芸術劇場で劇団四季のミュージカル『マンマ・ミーア!』を鑑賞しました。参加者は男性6名、女性1名の計7名。劇場は満席で、開演前から華やかな期待感に包まれていました。

『マンマ・ミーア!』は、私たち世代が熱狂したABBAのヒット曲で構成されたミュージカルです。単に名曲を並べたミュージカルではありません。まるで、一曲一曲が登場人物の感情を表す台詞になり、物語を動かしていきます。

舞台は、エーゲ海に浮かぶ小島。結婚式を目前に控えた娘ソフィが、自分の父親かもしれない母ドナの昔の恋人3人を、母に内緒で島へ招待したことから物語は始まります。

明るい喜劇でありながら、母と娘の絆、過去の恋、親子の自立、そして「本当の幸せとは何か」というテーマが描かれています。笑いながら観ているうちに、登場人物それぞれの人生に心を重ねてしまいます。

劇団四季を観るのは約20年ぶりでした。これまで『美女と野獣』『ライオンキング』『オペラ座の怪人』を鑑賞してきましたが、あらためて、舞台の完成度に圧倒されました。

俳優一人ひとりの明瞭な台詞と歌唱、息の合ったダンス、テンポの良い場面転換。華やかさの中にも細やかな人物表現があり、笑いと感動が鮮やかに切り替わっていきます。

耳になじんだABBAの楽曲も、物語と結びつくことで新しい意味を持って聞こえてきました。名曲と劇団四季の表現力が一体となり、すべての観客が幸福な空気で満たされました。

まさに『マンマ・ミーア!』は、人を元気にし、幸せな気持ちにしてくれるミュージカルです。「劇団四季はここまで進化しているのか」と、その迫力と華やかさに感服しました。「劇団四季恐るべし」です。

観劇後の懇親会も、大いに盛り上がりました。女性のKさんから、こんな質問が投げかけられました。

「昔の彼女から、娘の結婚式に招待されたら、皆さんはどうします?」

E氏は「オレは絶対に行かない」と即答。K氏は「相手によって判断は変わるな」。H氏は、あれこれ考えた末に「えーと、えーと、誘われたら断らない」と回答。

三者三様の答えには、語られざる過去が垣間見えました。懇親会でも『マンマ・ミーア!』の世界をまさに実体験する、貴重で笑いの絶えないひとときとなりました。

演劇は、舞台を観るだけでなく、観終わった後に感想を語り合うことで、さらに味わいが深まります。

「演劇を知る会」は、演劇に詳しい方はもちろん、これまで劇場に足を運ぶ機会が少なかった方も大歓迎です。多くの会員の皆さまとともに、これからも演劇の奥深さと楽しさを分かち合っていきたいと思います。是非、一緒に楽しみましょう。   以上




カテゴリー: 5.この指とまれ パーマリンク